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経年劣化により地下室のコンクリートが中性化すると、砂と砂の結合が弱くなってセメント成分自体も劣化し、地下室に漏水被害が見られるようになります。地下室の漏水を放って置いてしまうと、流れだしたセメント成分によりコンクリートが剥がれ落ちる爆裂という現象が起き、建物の土台となる基礎に影響が及びます。また建物の屋上や外壁、コンクリートの繋ぎ目の部分の劣化からひび割れが生じるとそこから雨水が浸水し、地下室へと溜まっていきます。その様な被害から建物の老朽化を防ぐ地下漏水工事について、今回の記事で詳しくご説明致します。
[目次]
○工事について
マンションの地下構造を強く保つために必要な地下の防水工事。地下の工事と聞くと、周りの土地に穴を掘って行う大掛かりで高額な作業・・・といったイメージを持たれる方もいらっしゃるかと思います。またインターネットで“マンション 地下防水”などと検索をかけると、“ウレタン防水” 、 “F R P 防水” 、“ポリマーセメント防水”というワードをよく目にすると思います。ですがこれらの防水工法だけでは壁表面に塗布するものであるため、地下水位からの浸水にはあまり効果を発揮できません。よりわかりやすくご説明致しますと、内側から壁に防水を施しても、外部から内側に向けて入る漏水では、防水幕が水圧で破れてしまう可能性があり、またすぐに工事を必要とする可能性が高くなります。
弊社では、上記で述べたような土地を掘り下げて止水を行う大掛かりな工事や壁表面のみの防水工事はせず、“背面止水注入工事”を用いて、費用と工期を大きく抑えております。
背面止水注入工事とは 、地下構造のコンクリートの壁に穴をあけ、高炉スラグ微粒子注入材もしくはアクリルエマルジョン系防水材を躯体室内側より注入して、 防水層の劣化した不具合部のある地下構造物の躯体に新たに防水層を作る工法です。 特徴として高密な止水力でしっかりと浸水を遮断できたり、注入圧力、注入量が確認でき、施工管理が容易にできるためコストが抑えられやすいほか、既設コンクリートに漏水、背面還流水がある箇所など、様々な状態の浸水にも対応できるという優れたメリットを持っています。
○工法の特徴
・高密な止水力で漏水被害を遮断
・コストが抑えられる
・様々な箇所の止水に対応可能
○防水材について
背面止水注入工事によりしっかりと止水を行なった後、地下室の状態や仕上がりに合わせて防水材を塗布し、防水性・耐水性を強化させます。
① アスファルト防水 耐用年数:約17〜20年
アスファルトに合成繊維不織布を含ませて作ったシート状の建材を貼り重ねる工法で、防水性が高く、耐用年数がほかの工法と比べて比較的長いのが特徴です。アスファルト防水の施工方法は、主に熱工法と冷工法の2つに分かれます。熱工法は加熱・溶融したアスファルトでアスファルトシートを積層し防水層を形成する工法です。一方、冷工法では熱を使わずに防水層を形成します。
② ウレタン防水 耐用年数:約10〜12年
最も多く見られる工法です。太陽光に反射効果を持つ、遮熱塗料の塗布が可能で、面積が広い屋上では、コストパフォーマンスが上がります。ウレタン防水を紫外線劣化から保護するため、表面にトップコートと呼ばれる保護材が塗られており、そのトップコートを定期的に塗る必要がありますが、定期的にトップコートを塗ることで防水層の劣化速度を遅くし、結果的に建物のランニングコスト低下につながります。
③ FRP防水 耐用年数:約10年
補強した繊維強化プラスチックを用いた工法で、強度な防水層が形成できます。軽量という特徴もあり、木造の屋上への施工が適している場合が多く見られる工法です。こちらも定期的にトップコートを塗ることで長期なコストパーフォマンスの向上が可能です。
④ 塩ビシート防水 耐用年数:約10〜13年
塩化ビニールから作られた防水シートを下地に貼り付けて行う工法です。シートが変芸自在なため、狭い場所や、複雑な形状をしたところにも施工可能なのが特徴としてあげられます。また耐久性が高く、施工時の美しい状態を維持しやすいという特徴があります。
⑤ ゴムシート防水 耐用年数:約10〜12年
合成ゴムから作られた防水シートを下地に貼り付けて行う工法です。塩ビシート防水とは異なって狭い場所や複雑な形状をした場所の工事には向いていませんが、工期が短期間で済み、施工しやすく、コストが抑えられるといったメリットがあります。
○作業の流れ
○まとめ
最後までお読みいただきありがとうございます。まずは地下室がどのような状態であるかを調査し、その劣化状態にあった止水方法や防水材を選んで工事を行うことがとても大切です。弊社では工事に関するお電話でのご相談から現場調査まで、無料で承っております。気になる点がございましたら、お気兼ねなくご相談ください。
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